唄は残る(配信アルバム) / やなぎ

  • 1. 君から何百キロも離れた場所で(e)
    2. 長距離電話(e)
    3. いきるもののうた(e)
    4. 昨夜の夢(e)
    5. ひなたのにおい(e)
    6. 4月27日のうた(e)
    7. おいらとギターが歌うとき(a)
    8. いつものように家へ帰る(a)
    (  )内はオリジナル収録アルバム

    e:また歩き出そうとしている 2011年04月発表
    a:おいらとギターが歌うとき 2003年10月発表
  • Photo by S.Kakimoto

    全8曲 (Railway Records AMYMC-103 2022年6月配信開始)

    震災後の録音である『また歩き出そうとしている』の音源を中心に選曲し、2018年6月10日に犬山の 珈琲ふう で行われたライブ時の写真を配信用アルバムのジャケットとしました。
    『また歩き出そうとしている』のジャケットにはやなぎさん自身が撮った写真が使われています。いつも撮ってくれていた菅野有恒さんが陸前高田を襲った津波で他界してしまったから・・・。裏ジャケットは(配信用ではなくフィジカルなCDの)『旅という生活 生活という旅』で裏ジャケットに使用された写真と全く同じ場所。突き当りに ジャズタイム ジョニー があったはずの駅前通りを、やなぎさんが撮影したものです。震災直後の、陸前高田の風景です。
    やなぎさん自身が「全ての作品が生きることを歌っている」と評した、そのアルバムから収録可能な曲を集めたのですが、最後に初期の音源であるこの一曲を入れました。おそらく、岩手で就職して何十キロかの道のりを車で通勤していた頃に作られた歌ではないかと想像しています。でも、時を経て聴けば違う味わいを持って聴くこともできてしまう。旅暮らしを常としていたとはいえ、年に数回、自宅でのんびりするのを楽しみにしていたはずなのに、世間の目もあり、コロナ禍の数年間は季節折々の帰省もままならない状態でした。「もう何処へも行かない おいら いつも此処にいるから」という歌詞が今は、別の意味で心に響きます。

    そう。
    もう、何処へも行かずに、みんなの心にずっと居続けてほしい。

    唄よ、残れ。

    Written by T.Tsujii 2022.6.30



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